生きているうちに生存贈与として、子どもなどに贈与を検討されるかたもいるでしょう。自分が元気なうちに、生前贈与ができれば、いつ何が起きても安心して過ごせると考える方も少なくありません。本記事では、実家などの生前贈与を考える際のポイントやタイミングを解説しますので、ぜひ参考にしてください。
生前贈与とは?
生前贈与とは、自分が生きているうちに子どもや孫に無償で実家などを引き渡すことを言います。何もしないままで亡くなった場合、生前贈与をおこなえば相続税を抑られるでしょう。
ただ、自分は生前贈与しておいた方が良いのか、親が生前贈与してくれたけど受けたほうが良いのか悩んでいる方もいるでしょう。生前贈与をおこなうメリットを紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
贈与税を節税できる
生前贈与によって、子どもや孫に相続しておけば亡くなった後の相続税を抑えられます。
相続税とは、財産を所有する方が亡くなった場合、その財産を受け継ぐ人が支払う税金です。
相続税は、財産が大きいほど金額が上がります。そのため、生前贈与という形で相続人に渡しておけば、亡くなった場合に相続税を少なくできるメリットがあります。
贈与する人や時期を自由に選べる
たくさん財産があっても亡くなってしまってからでは、相続人を選べない場合もあります。生前贈与であれば、自分が贈与したい人や金額、時期を選べるメリットがあります。
さらに相続人として、お金を必要としている方のために財産を贈与できるメリットもあるでしょう。
子どもや孫への教育資金であれば1,500万円まで非課税
一括贈与として1,500万円までであれば、非課税として利用が認められています。
対象は、父母や祖父母など直系尊属から30歳未満の子どもや孫が対象です。ただし、ルールとして子どもや孫名義の口座へ入金すること、引き出しをおこなう際には、教育費の領収書が必要となります。
生前贈与できる条件
生前贈与は、受け取る側の条件も満たさなければなりません。一方が贈与したいと考えた場合、相手の了承も得られなければなりません。生前贈与できる条件を解説しますのでぜひ、参考にしてください。
贈与者の年齢が若い
生前贈与する場合、自分の年齢と健康状態を把握しましょう。例えば、還暦贈与をおこなう場合毎年110万円までしか贈与できないため、相続税を節税するまでの金額に達するまでには長い年月がかかるでしょう。
年齢的に若く、健康状態が良好であれば、複数年に渡っての贈与が可能です。
贈与したい人が複数人いる方
1人当たりの非課税枠は110万円ですが、贈与先が複数人いる場合は、一気に財産を減らせるメリットがあります。
もし、複数人に贈与を検討されている方は、生前贈与は有効的な手段と言えるでしょう。
収益物件の贈与を検討されている方
マンションなどの不動産物件を所有されている方は、生前贈与することで得するケースがあります。収益物件は所有する限りそこから得る収益が蓄積され、その分も相続税に加算されます。早い段階で生前贈与しておけば、贈与以降に発生する収益は相続された方の物となります。
生前贈与ができるタイミングはいつがベスト?
生前贈与といっても、タイミングが合わなければ意味がありません。生前贈与に大きく関わる、非課税制度を利用するタイミングは、贈与をおこなう前にしっかり押さえておきましょう。
生前贈与ができるタイミングはいつがベストなのか解説しますので、参考にしてください。
贈与を受けるタイミング
贈与を受けるタイミングとして、居住開始をおこなう前という決まりがあります。
もし、居住開始後に生前贈与をおこなった場合、非課税の特例対象外となるでしょう。
また、引っ越し前であっても贈与を受けた、翌年3月15日までに新居に居住するようにしなければなりません。新居の資金を贈与資金で充てる場合は、できるだけ居住開始の直前が良いタイミングと言えるでしょう。
居住開始時期のタイミングにも注意
贈与を受けた場合、できれば翌年の3月15日までに居住するのがベストになります。
なかには子どもの入学が仕事の都合などで3月以降の居住になる方もいるでしょう。こうした場合は、入居の見込みがあると判断されたうえで贈与を受けた翌年の12月31日までに居住できれば問題ありません。
また、住み始めたら住民票も同時に写すことで税務署とのトラブルが発生しないでしょう。
申告のタイミング
非課税特例を受けるためには、住んでいる地域の税務署などに必要書類を提出する義務があります。たとえ贈与税が0円だとしてもきちんと申告しましょう。期限は、贈与を受けた翌年3月15日までなので、注意しましょう。
まとめ
本記事では、実家などの生前贈与を考えるポイントや、贈与するタイミングを解説しました。財産を持っている方は、亡くなった後でもめるのが嫌だというのであれば生前贈与を検討しましょう。生前贈与であれば、生きているうちに自分の思うような贈与ができるでしょう。また、亡くなった後のトラブルを考える必要もないため、安心して日々を過ごせると言えます。本記事が、生前贈与を検討されている方の参考になれば幸いです。